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野田商工会議所
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2001新春講演会

平成13年1月11日に新春講演会を開催いたしました。


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新春講演会 平成13年1月11日(木)野田市役所 8階大会議室
「政局の展望と日本経済の行方」
野田市と野田商工会議所主催による恒例の新春講演会が野田市役所8階大会議室において開催されました。今回は山本孝氏(NHK解説委員)をお招きし、政局の展望と日本経済の行方を語っていただきました。


森政権の今後
 党内の主流派といわれる各派の動きはどうやら森首相で参議院選挙は戦おうではないかという方向になりつつあります。もちろん派閥によって温度差はあります。森首相を支えていこうという亀井政調会長のように「もう、森内閣というのはイヤんなるくらい長期政権になるよ」という人もおりますし、ちょっと森政権とは距離を置いて支えていこうというフシが見られる橋本派。

しかし全体として今、参議院選挙前に森首相を引きずりおろして新たな総裁で選挙に望むという動きは党内にはないようです。特に自民党の中で森政権に批判的であった加藤派ですが、あの加藤派乱を契機にして今分裂状態でございます。しかも反加藤グループと言われる人たちは「主流派との関係を親密にする」、俗に言えば主流派にすり寄るような形をとっておりますから全体の数でいいますと党内は主流派の数が圧倒的に多い。そのような状況であります。

 その加藤派でありますが、どうやら事実上分裂する方向に動いているように思います。この間、古賀幹事長(加藤派の有力者)にその件でお聞きしましたら、「派は別々になっても協力してゆきたい」、こういう表現で、加藤派の分裂はやむなしという考え方をしておられました。反加藤グループは宮沢さんをもう一度会長に担ぎ上げて、新しい派閥の展開を期待したいといいます。おそらく加藤派は二つに分かれて、反加藤派グループは独自の新しい派閥活動を展開するのではないでしょうか。

すでに反加藤派グループは40人くらいは確保した。ということで、同じ加藤派の中で加藤支持、反加藤両派が多数派工作をやる、という状況になってきている。 それにしても加藤さんのあの行動は極めて唐突でありました。準備不足でありましたし、ほとんど戦略はないに等しい状況にあったように思います。なによりも「党を割ってでも政治を変えたい」、不信任案に賛成するといいながら離党しないと言い続けたのは加藤さんでございますが、この発言からは党を割ってでも日本の政治を変えるんだ!という強い覚悟が感じられなかった。それが失敗の原因ではないかと思います。世論の森内閣に対する支持は厳しいわけでありますから、あの加藤さんの考え方に共鳴してほんとに政治を変えてくれそうだ、と期待をもった人も多かったと思います。が、そういう期待をあの土壇場で裏切った加藤さんの責任はこれまた極めて大きかったのではないでしょうか。

 加藤さんというのは自民党の中で新しい政治を目指そうというおひとりでありますし、非常に政策にも詳しい。頭もいい人でありますから、これからも自民党の中で活躍して頂きたいと思います。世論調査の数字を見ましても、森内閣をみる国民の目は非常に厳しいものがあることは事実であります。決して森政権が安泰であろうはずはないし、いろいろ不安を抱えていることも事実でございます。その一番大きな不安要素はなんなのか?それは森総理自身である、と見るのがおおかたの見方でしょう。いろんな失言をしましたし、問題発言を繰り返しました。

森さんというと失言というイメージが定着している状況です。そしてこういった失言を繰り返すたびに総理としての資質があるのか?と疑問であります。しかし森さんはたいへんサービス精神の旺盛な人であり、なかなか座持ちもお上手です。「総理に聞く」などという番組をやるときは次から次へと話題を提供して退屈をさせないという面も持っています。会合に呼ばれて挨拶をする。

となりますとその場の雰囲気に合わせるような発言をする。あるいは相手の関心を引きつける発言をする。という傾向がありまして、どうもそれが失言や問題発言に繋がっているであります。自民党の政調会長や幹事長の発言ならば、あの人の話は面白い、大衆を惹きつけるとかえって好感が持たれていたかもしれません。

景気の行方
 そしてもう一つの不安材料は申し上げるまでもなく、景気の先行きはどうなるんであろうかという不安です。政府の景気判断はもうここ数ヶ月、「緩やかながら回復傾向にある」という判断を続けています。12月の日銀短観(企業短期経済調査)が発表されました。この調査ではどうやら景気は足踏み状態であるのではないか、景気の減速感が強まってきている、こういう結果を発表しました。それをきっかけに先行きを懸念する見方が昨年暮れあたりから急速に広がってきています。

 確かに企業の業績はリストラの効果等もあり製造業を中心にかなり改善しているようです。企業収益の改善がまだ、家計部門に波及してこないのが現状だろうと思います。日銀がダム理論というものを唱えていました。企業収益という水がダムに溜まればあふれ出て家計に流れていく、それに伴って消費も回復していく。しかしまだ家計に企業の収益の改善が及んでいないところでしょう。

 景気の回復に最大のカギを握る個人消費が一進一退の状況であります。11月の完全失業率は4.8%でありますから最悪の水準が依然として続いている。企業のリストラもまだ終わったわけではない、所帯の所得も伸びていますがそう大きくは伸びていない。そして株価の低落が目立っています。13,500円台(1月11日)を割っている。

もしまだ株価が下がるという状況になってまいりますと、金融機関の処理にも関わってきますし、企業収益にも影響が出てまいります。アメリカの経済はもう減速状況、どうこれをソフトランディングさせるかというところが問題になるほどの状況でありますから、アメリカ経済が停滞しますとアジアにも影響してくる、そうすると輸出が伸びない。このように様々な状況が重なってきていますから景気の先行きに懸念が広がるということです。

 日本の景気は昨年の8月がピークでその後の景気は後退局面が続いていると言う悲観的なエコノミストさえいます。私はそうは思いません。緩やかな回復傾向にあると思っています。いろんな悪い指標が出てきておりますから、景気は微妙な段階にあると思われます。政府は82兆6,000億円という一般会計予算を年度内に成立させる、そして今年半ばには本格的な回復軌道に乗せていくつもりでしょう。

景気対策に軸足をおいた財政経済運営をやっていこうということです。しかし株価の低迷、アメリカの景況の影響もあり、もし景気が後退をするような状況になってまいりますとこれは一気にまた森政権に対する批判が強まると思われます。今の株安は「森政権が続いているからじゃないか」、株価を上げるには政権交代が一番の近道だという意見さえ聞こえます。もし景気が悪くなっていくと、森内閣に対する批判はいっそう厳しくなって、内閣は変わってもらわなくてはならんぞとなりかねません。

夏の参議院選
 今年の夏にはいよいよ参議院選挙を迎える。この選挙は与党が引き続いて過半数を維持できるかどうかこれが最大の焦点でございます。選挙の結果いかんによっては政権の命運が大きく左右される。大きな意味合いを持つ選挙になることでしょう。公職選挙法が改正され参議院の定数が10議席削減されることが決まっています。(今年5議席、3年後5議席減らされる)そこで与党が過半数をとるためには何議席必要なのかですが、与党3党の非改選議席というのは今60議席でございます。過半数を維持していくには与党は64議席以上取らなければならない。しかし自民党にとっては現在厳しい状況となってます。

そこで自民党は公職選挙法改正によって定数の削減と同時に比例代表選挙では非拘束名簿方式というものを導入することになりました。つまりこれまでは比例区では政党に投票していましたが、今自民党と書いてくれる人はあまりいないだろう、党名書いたのでは自民党は負けるのはみえている。そこで個人にも政党にも投票できるようにしようということで非拘束名簿方式というものを導入した。この方式ですと誰か1人、大量得票できるような候補者がいればその1人の得票によって自民党全体の票が大きくかさ上げをされるというわけです。

 また選挙協力という問題があります。公明党は選挙区選挙では五つの選挙区にしか候補者を立てない、ここで全員当選を目指そうと。こういう戦略でありますから、その他の選挙区では候補者がいない。そこで、公明党の候補者のいないところでは自民党に協力をしてもらおうというのが自民党の戦略ですが総選挙の時に協力をしたけれども協力するのは公明党ばかり。一方通行だった。こういう不満が公明党の中にも支持団体の創価学会の中にも強く残っているものですから、果たして自民党が考えるように、選挙協力の効果が上がるだろうかということです。選挙の結果を占うポイントになるでしょう。

 そのように与党を取り巻く環境は厳しいものですから野党のほうは与野党逆転をする最大のチャンスと捉えています。与野党逆転をすれば衆議院の早期解散総選挙に追い込める、そこで多数を占めれば、いよいよ政権交代ができると考えられていることでしょう。どこまで野党がまとまるかどうか問題はありますが、そのためには選挙協力が必要だと、いくら自民党の力量が落ちていたとしてもそれぞれの選挙区で野党がバラバラに候補者を立てたのならば反自民の票が分散してしまいますから。

 野党が反自民票というのを一本化していきますと自民党を脅かす選挙協力となっていくだろうと思います。そうとう激しい選挙になるだろうと思います。そこでもし与野党逆転すればということで、与党が過半数を割ればもう事実上国会の機能はストップすることになるだろう、またストップさせなければならない、という考え方があります。つまり参議院で10議席以上野党が引き離すことになれば参議院議長もあるいは議会を運営する委員長も全部野党が占める、そうすれば政府与党の思うようには国会運営できなくなります。

衆議院でいくら安定多数を取って可決をして参議院に送っても参議院で否決をすれば法案は通らない。 だとすれば政府与党は政権運営には息詰まって、衆議院の解散総選挙に踏み切らざる得ない。そういう状況の中で選挙をすれば衆議院でも野党が多数を占めることができるだろう、いよいよ政権交代だぞ、という戦略を描きながらなんとかこの選挙で与党過半数割れに追い込みたいというのが野党の作戦でございます。

 様々な意味で今度の参議院選挙には大きな意味を持つ選挙でございます。年明け早々から激しい展開になっていくのではないかとそんなふうに政局を視ているところでございます。

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