ホームへ










野田商工会議所
〒278-0035
千葉県野田市中野台168-1
TEL04-7122-3585
FAX04-7122-7185

« 2001新春講演会 | メイン | 2003新春講演会 »

2002新春講演会

平成14年1月8日に新春講演会を開催いたしました。


arima2.jpg

新春講演会 平成14年1月8日(火)野田市役所 8階大会議室
「日本経済の行方」
野田市と野田商工会議所主催による恒例の新春講演会が野田市役所8階大会議室において開催されました。今回は有馬晴海氏(政治評論家)をお招きし、日本経済の行方を語っていただきました。


国家予算を考える

概算ですが、国の予算は80兆円、税収が50兆円、ですから30兆円足りない。足りないから国債を発行して借りますよと。ところが税収が50兆もなくて47兆にしかならない。3兆円足りない。だったら80兆の予算を組むとすれば3兆円最初から足りないので、33兆借りなきゃならない。

ならば
80兆ではなくて77兆くらいの予算を組もうか。簡単にいうとそのような議論が国の中で行われている。これが30兆借りるのか、それとも30兆超えて借りるのか、国債を発行するのかしないのか、議論は簡単にこのあたりです。

ところがみなさん考えて下さい。国の予算は80兆円、日本てこんなものなんです。ある政治家によれば110兆くらいの予算を組まないと今の問題を整備するにはそのくらいかかると言われています。110兆円必要ならばさらに30兆、全部で60兆、それは無理だからどうするのか。

今の若い政治家は「プライマリーバランス」といって収入が
50兆しかなければ50兆でまかなうというような考え方をします。そのような話が今年はどんどん出てくるでしょう。

税の問題

日本は税の問題で大幅に変わってそれが政治の再編を呼び起こす可能性がある。そのような考えをする若い政治家が増えているようです。しかも50兆の税収しかないのに、20兆はこれまで使った借金の返済に廻しているのです。そんな自転車操業みたいなことしていてもしょうがないだろ、そんなことで30兆超えないようにしよう。

というのが小泉首相、ある意味小泉首相のやり方は子どものこずかいを決めてその中で工夫しなさいというようなことだと思います。

そして来年度は3兆円ばかり収入が減るようです。その先はどうなるかといいますと人口が減ります。現役世代はもう減っています。当然働き手が少なくなります。税収が減るのは当たり前のことです。ですからその辺を構造的になんとかしようというような考えです。税収は仮に日本の経済が2パーセントの成長を続けたとしても今の80兆くらいの予算を組むとなればやはり30兆くらいを向こう5年くらいは借りていかなければならない。

そうすると5年で150兆。今、日本の借金はみなさんご承知の通り666兆円。来年度は
30兆借りますから700兆に迫る金額を借りることになる。それがむこう5年間になるともう800兆、900兆になるのは当たり前のこと。ところが返さなければならない。

それが橋本さんが4年前に言った「火だるまになっても構造改革、財政改革、行政改革をやってこれを返すべきだ」ということがその始まりでした。結果的に4年経ったらもっと膨らんでしまった。あの当時は470兆くらいでした。ですからもうすでに200兆ばかり増えてしまった。そのような状況です。

さて、税についてですが所得税が下がりました。これはみなさんご承知の通り所得税を下げれば消費が促されるからというのが理由です。ところがこれも効果がなかったようです。なにかを変えるときにはどんとなにかが変わらないと変わったという意識がありませんので、それは政治の対応に求められることだと思っています。

法人税を下げ所得税を下げもろもろを下げていくとじゃあ税収が減るからなにをあげるのか、消費税を上げるしかないのです。どうも
12%ぐらいになるというのが筋らしいです。それは7?10%では足りないと。なぜかというと今、福祉の予算が約20兆ばかりあります。これを消費税に換算しますと消費税は1%上げると2兆円増えることになっています。消費税で賄うことを計画しているようです。

あと5年もすれば日本の人口は減るからなんとかその前に借金を返すようにしよう。借金を返すためには消費税33%を100年やらなければ返せない。しかしそんなことはできないから12%くらいでという話が水面下で行われているようです。

結果的には
10%になるかもしれません。小沢さんが言われている福祉目的税ということで徴収されるかもしれません。それは消費税では取りにくいからです。そのような努力をしていかないとならないというわけです。

一生懸命働きたくなる国か?

そして2025年、あと23年後ですがこのときに少子高齢化のピークを迎えると言われています。このときに国民負担率(所得税、消費税、保険料等)は橋本さんが4年前に50%は超えないという宣言をしました。ところがあと23年経ちますと民間の経済研究所によると72.3%になると言われています。つまり100万給与をもらったときに72万がなんらかの形で消えていく。

そして残るのが
28万円。みなさんの子や孫さんたちがあと20数年後にこうなると「この国で一生懸命働きたいかどうか」というと疑問です。みなさん方から税金をとって橋を造った、道路を造ったとやるのはいい。しかし高い家を買って一生ローンを払い続けるような人生でその他になんら贅沢すらできない。それが本当に豊かな国なのかどうか。もう一度問いたいと思います。

今、高速道路で議論しています。確かに道は空いている方がいい、走りやすいほうがいいです。しかし今プランニングしている計画が、50年後に成立したとするとその頃には人口が2割減っています。そういうことも政治が考えてやろうとしているのか、少し疑問に思います。

つまり身の丈にあったというのが全然考えられていない。これまでは高度成長とともにとにかくみなさんが働いてくれれば税金をもらってどんどん公共工事をしていった。そしてそれによって経済が活性化された。もうそういうことができなくなった。これからどうすればいいか?この過渡期の10年でどうなるか。お金を沢山取られて福祉がうまくいけばいいのですが、とうてい今の政府・政治家もそのような考えではなくてなにか違うようです。みなさんの考えから政治を変えていくというのもひとつのやり方と思います。

年金について

年金というのは納めれば戻ってくるもんだということですが、私が非常に悔しいのは国会で年金を担当するのが厚生労働委員会。そこでいろいろ議論されています。今後の運営については、まず支給額を減らす、支給年齢を伸ばす、現役世代の負担を増やす、この3つしかない。それを厚生労働委員会で話し合い、5年単位で更新をしていくんです。そして今、60から65にしていこうという話になっています。

その年金ですが、「なぜ年金は必要なのか」という議論が余りされていません。しかし日本にとってこの議論は大切だと思います。明治
20年に火薬工場で働いていた人が55歳くらいになったら目が見えないと言って訴えてきた。そして火薬を扱うから危険だと。では55歳で辞めてもらおうよ、という形から55歳で定年を定めた。それが60歳になっていった。少しくらいは蓄えで食えるだろうから。当時は家さえあればそんなに生活費はかからなかったようですが。それが年金の始まりとも言われています。

当時の寿命というのが、42.5歳でした。55歳で現場で働いていた人はむしろ長生きした人です。その人はもう少し長生きすると年金がもらえたわけけです。ところが今、60歳で辞めて80歳まで寿命があるのにその負担が現役世代でまかなえると思いますか?そのような議論はまったくされないのが不満です。

電話のお話をします。もともとは100年くらい前に重要なところに設置されていた電話ですが、普及し始めてたのが50年前と言われています。50年間かかってやっと5万台付きました。ところが6年前に携帯電話を許認可したためにたった5年間で7千万台売れました。世の中に7千万台、5年間で普及する品物はあるでしょうか。携帯電話というのは10年前にはほとんど普及していなかった。それが7千万個売れるんですよ。なにがいいたいのか。

「必要なものはみなさん方は必要だと分かって買ってくれる」。決して不景気だとかお金がないとかそういうことではない。ちなみに昨年の百貨店の売り上げは少しですが伸びました。なぜ伸びたかといいますと、一つの例で言いますとそごうが潰れたから。今までそごうを利用していた方が他店に流れた。今一部上場のゼネコンで
50円割ったところが20社くらいあると思います。債権放棄を銀行に頼んで助かったところもありますが、結果的に倒産したことろもありました。

小泉首相が「これは構造改革が進んでいる証拠だ」と言いました。昔であれば非常に不謹慎な発言だと思います。会社が潰れて失業者が出て子会社が泣いているときに「構造改革が進んで良い結果だ」ということを首相が言う時代なんだと。

株をやられている方がいると思いますが、株の世界に「国策に売りなし」という言葉があります。つまり国がこうやろうとするところに多少の景気、経済が動くんだということです。携帯電話を認可したらわーっと売れた、百貨店も何社か潰れるところがあれば儲かる。なにを意味しているのか。人口も減る、購買力も減る。子供も昔200万人も生まれたのが、今では130?140万人しか生まれない。6、7掛しか生まれない。昔のようにモノが売れるわけがない。7掛けしか売れないことになります。これからどういう日本になっていくかといえば消費者が決めることなんです。

資産を持って死ぬということ

今、一人3,500万の資産を持って死ぬと言われています。別に子供に残すこともない。自分が一生懸命働いたものを自分の人生の中で使い切ればいいのです。しかし、将来が不安だ。政治の責任でもありますが、もっといい思いを老後にしようと思っているうちに病気で死ぬこともある。

5,000万の資産があれば2,000万くらいは現金で現役の時にあげる。そして亡くなったときは家屋も含めて資産を没収すると。そのようなやり方を一部の自治体がやっているようですが、もう自治体レベルではなくて銀行の生きる道というのは中小企業のもう担保ではなくて人を担保として貸し付けるべきかと。

できれば死ぬときはゼロにして死にたいと思うんです。でもそれは難しい。難しければそこに工夫をしなければならない。私は冗談でいいますが、私も松下幸之助も逝くところはいっしょなんだから、だからそんなに恐れることはないよ。と言ったりします。

今、日本に個人資金が1,400兆円あるといわれています。2年前は1,200兆円でした。1年で100兆円増えるんですよ。一人あたり80万円増えるんです。80万貯金が増えているんです。でも使わない。なぜか、今言った「不安」なんです。そして1,400兆円の7割が60歳以上の人がやっぱり持っているんです。だからこういうお金をなんとか自分の生きている間に、楽しみに使えるような国にして、そして稼いだものはどんどん使う。アメリカはご承知のとおり、1/3は株、1/3は国債等、そして1/3は預金。ところが日本は7%しか株を持っていない。

だから株価が下がるのは当たり前です。ということで401Kという制度を引き出して昨年の
10月から企業でやってもいいということになりました。今の日本政府は「自己責任」、自分でやんなさい、ペイオフもそうなんです。どこの銀行がいいか知っていますか?週刊誌に書いてありますが、週刊誌見ないと分からないなんて国も国ですよね。ですからそういうようなところをみなさんがアンテナを張り巡らせそして勉強してどこにタイミングよくお金を使っていいか。考える時期です。

現役世代1年で250時間働くのですがそれを40年やって10万時間しか働かないんです。60歳で定年となりリタイヤして寝る睡眠時間を10時間として14時間起きているとします。それを365日続けて80歳まで生き続けるとします。すると10万2,200時間になります。余暇のほうが数段ウエイトを占めるとするとそれを楽しませるものを提供するというビジネスも考えられます。

最後になりましたが経営の神様と言われました松下幸之助さんのお話をします。幸之助先生がボクの知り合いの隗始塾の者と京都に行きました。「おい、あの山はボクの山だよ」と言われました。松下幸之助、山の1個や2個はね、と思ったそうです。そしてお昼頃になって「おい、蕎麦でも食おうか」と言って蕎麦屋に入ったそうです。「この蕎麦屋はボクのだよ」、蕎麦屋の1件や2件はねぇ、と思ったそうです。帰りのお勘定の時に代金を幸之助先生が払った。

おかしいなと思ったら幸之助先生が「おい、ここの蕎麦屋は自分のモノだと思ったら蕎麦の
1本も残したいと思わんだろ。そしてあの山も自分のモノだと思ったらゴミも捨てたりしないだろ。むしろゴミを拾ってくるんじゃないか」と言われたそうです。おそらく「相手の気持ちになれ」ということを言いたかったのでしょう。

長いお時間、ご静聴ありがとうございました。

 
Copylight(C)1997-2011 by The Noda Chamber of Commerce and Industry All right reserved